A介さん(32)は不動産会社で物件管理の仕事をしています。昨年10月に第1子が生まれました。4月から子どもの保育所が決まり、育児休業を取っていた妻が職場復帰をすることになりました。A介さんは「4月から育児のため、短時間勤務制度を利用したい」と会社に伝えたところ、給料が想像以上に下がると知り、驚きました。
妻は内装デザインの仕事をしています。商業施設の現場に出向くことも多く、帰宅時間が不規則です。このため、A介さんが短時間勤務制度を利用して、毎夕、子どものお迎えをすることになりました。
「いつまで短時間勤務するの?」
A介さんの職場の男性で短時間勤務を利用している人はいません。2月上旬に子どもの保育所が決まり、A介さんは「4月から短時間勤務制度を利用して、定時より1時間早く帰宅したい」と上司に伝えました。
A介さんの会社は午前9時から午後6時までですので、「午後5時に職場を出たい」と伝えました。「遅い時刻に始まる会議など、あらかじめ予定がわかっているものは、妻と調整してできるだけ参加するようにします。でも、急な対応は難しい」とも伝えました。
上司からは「いつまで短時間勤務するの?」と聞かれました。そこで「就業規則で認められる3歳までと考えていますが、子どもが小学校に入るまでは、そうさせてもらいたいです」と伝えました。すると上司は「え、そんなに長期間?」と絶句しました。
さらに上司は「奥さんの職場でなんとかしてもらえないの? 君、主任なんだから、ずっと早帰りというのは困るな」と言いました。
主任からチーフに降格
数日後、人事部に呼ばれ、短時間勤務となった場合の労働条件が示されました。
A介さんの通常の給料は基本給25万円、主任手当1万円、月20時間分相当の固定残業代4万円で月額30万円でした。
短時間勤務で給料が減額となることはA介さんも認識しており 30万円の8分の7の…
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特定社会保険労務士
大阪市出身。2023年、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。法学博士(大阪大学2026年)。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書(共著)に『労働事件予防の実務』(第一法規)など。http://www.sr-iyori.com/







