人生に必要な「おカネの設計」 フォロー

5年に1度の「財政検証」私たちの年金どうなる?

岩城みずほ・ファイナンシャルプランナー
 
 

 今年は年金の長期的な給付水準を政府が5年に1度点検する「財政検証」があります。最近のニュースでは公的年金に批判的な意見も多く、将来の年金制度がどうなるのか心配な人もいるかもしれません。

 まずは公的年金制度を正しく理解しましょう。わが国の年金制度は、日本に住んでいる20歳以上60歳未満のすべての人が加入する「国民年金(基礎年金)」と、会社員らが加入する「厚生年金」の2階建てになっています。

 そして3階部分として、企業が任意で設立し社員が加入する企業年金のほか、国民年金の加入者(第1号被保険者)が任意で加入できる国民年金基金や個人型確定拠出年金(イデコ=iDeCo)などがあります。

 1、2階部分の公的年金が国民の老後生活の基本を支え、3階部分の企業年金や私的年金と合わせて老後生活の多様なニーズに対応することになります。

年金の財源と制度改革

 年金の財源は保険料が中心で、基礎年金には国庫負担(税金)があります。現役世代が納めた年金保険料のうち、年金の支払いに充てられなかったものは、将来世代のために積み立てています。

 将来的に保険料と国庫負担で賄いきれない部分は年金積立金で補っていくことになります。長期的には保険料が全体の財源の約7割、国庫負担が約2割、積立金が約1割となる見通しです。

 少子高齢化が進行して保険料を納める現役世代が少なくなると、財源となる保険料収入も減少し、給付とのバランスが取れなくなる可能性があります。このような事態を避けるため、2004年の年金制度改革で、将来にわたって制度を安定させるための財政フレーム(給付と負担の均衡を図る仕組み)が導入されました。

 04年の改正では、まず保険料の料率の上限を固定した上で、保険料を引き上げることになりました。つまり現役世代の負担は上限より増えないということです。

 基礎年金の国庫負担は3分の1から2分の1に引き上げられました。年金積立金は…

この記事は有料記事です。

残り1206文字(全文2011文字)

ファイナンシャルプランナー

CFP認定者、社会保険労務士、MZ Benefit Consulting 代表取締役、オフィスベネフィット代表、NPO法人「みんなのお金のアドバイザー協会」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、顧客本位の独立系アドバイザーとして、家計相談、執筆、講演などを行っている。著書に「結局、2000万円問題ってどうなったんですか?」(サンマーク出版)など多数。