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3年ぶり改定「シニアの介護保険料」今後の負担と給付

渡辺精一・経済プレミア編集部
 
 

 3年に1度の介護保険制度改正で、政府は介護サービスに支払う介護報酬を2024年度に1.59%引き上げた。65歳以上の介護保険料も見直し、基準額は全国加重平均で3.5%上昇した。ただし、今回の改正では、サービス利用料の2割負担対象者を広げるなど高齢者の負担増につながる課題は先送りされている。今回の改正点や積み残しの課題を整理した。

65歳以上の保険料は3年ごとに見直し

 介護保険は、40歳以上が加入者となって保険料を負担する。加入者は、年齢により、65歳以上の第1号被保険者と40~64歳の第2号被保険者の二つに分かれる。

 65歳以上は原因に関わらず要支援・要介護に認定されると介護サービスを受けることができる。40~64歳は末期がんや関節リウマチなど特定疾病で介護が必要な場合に限られる。

 介護給付の財源は公費と保険料が半々で、65歳以上と40~64歳の保険料負担割合は、それぞれの1人あたり保険料額が同じになるよう見直している。

 65歳以上の保険料は、3年ごとの制度改正で改定する。国の基本指針を受け、市町村が保険の事業計画を策定し、保険料のもとになる基準額を決める。

 40~64歳の保険料は、加入する公的医療保険によって異なる。

 健康保険(健保組合や協会けんぽなど)の加入者については健康保険が毎年度、介護保険料率を決め、給与に掛けて保険料を求め、労使で折半する。加入者が扶養している40~64歳の人は個別の負担はない。国民健康保険の加入者は、市町村ごとに、所得や資産、人数などに応じ、世帯単位で保険料が決まる。

所得段階の細分化で再分配を強化

 高齢化を背景に介護保険財政は厳しさを増して…

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経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。