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新NISA元年の株暴落「長期・積み立て投資」の試金石

渡辺精一・経済プレミア編集部
=Getty Images
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 株式市場が変調している。日経平均株価は直近ピークから一時25.5%下がる暴落を記録し、その後も乱高下が続く。今年は、家計の資産形成を支援する少額投資非課税制度(NISA)が大幅拡充され、投資の裾野は広がってきたところだ。新たに株式投資を始めたような初心者は市場急変を不安に思っているかもしれないが、ここは資産形成や長期投資の基本を確認しておきたい。

新NISAの「貯蓄から投資へ」効果

 株式市場で不安が拡大してきた。日銀の利上げを契機に円高が進み、低金利の日本で借り入れて海外の高利回り資産を購入していた「円キャリートレード」が巻き戻しされたことが影響しているとみられる。米国の景気後退が意識されていることも懸念材料だ。

 政府は「家計の資産所得倍増」を掲げ、2024年にNISAの投資枠を大きく広げるなど制度を大幅拡充した。その利用が広がり、「貯蓄から投資へ」の流れが生まれつつあった。

 年初からの新NISA効果について、確認しておこう。

 金融庁によると、NISA口座は24年3月末で約2323万口座と、新NISA開始から3カ月で約187万口座(8.7%)増えた。人口との比較では20~60代の4人に1人がNISA口座を持つ計算だ。3月末時点の累計買い付け額は約41.4兆円と3カ月で約6兆円増えた。

 日本証券業協会によると証券大手10社のNISA口座数は24年4~6月で4.5%増。増加ペースはあまり衰えていない。

 日銀の資金循環統計からも新NISA効果がうかがえる。

 24年3月末の家計の金融資産は過去最大の2199兆円と23年12月末から56兆円増えた。現金・預金は50.9%で1.7ポイン…

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経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。