A子さん(35)は従業員50人ほどの会社で事務補助のパート勤務をしています。先日、経理部長のB子さん(45)から「10月から社会保険に加入してもらうかもしれません」と言われ、戸惑っています。
A子さんは毎週水曜日、子どもの習いごとの送り迎えがあるため、休みにしてもらっています。土日を除いた週4日、午前10時から午後4時まで1日5時間勤務です。
会社では雇用保険のみ加入しています。社会保険(厚生年金保険と健康保険)は夫の扶養家族として、夫の社会保険に入っています。
夫の扶養となるには月収10万8000円(年収130万円未満)に抑える必要があります。A子さんの時間給は1200円ですので、月90時間までの勤務時間となるよう、残業はできるだけしないようにしていました。
B子さんに言われた通り、A子さんが10月から社会保険に加入すると、社会保険料が毎月1万5000円くらい引かれるようです。
A子さんのパート収入は、子どもたちの習いごとの費用と教育資金の貯蓄に回しており、手取り額が減るのは困ります。
B子さんに「夫の扶養に入っていますので社会保険は不要です」と伝えましたが、「法改正で10月から、週20時間以上勤務の人は加入してもらわないと、会社が年金事務所から指導を受けることになります。パートやアルバイトも一定の要件を満たすと、社会保険の加入が義務化されるのです」とのことでした。
「手取り額を減らしたくない」
A子さんは帰宅後、夫に相談したところ、「手取り額を減らしたくないなら、勤務時間数を増やせないか会社に相談をしてみたらどうか」と言われました。
勤務時間数を増やすと言っても、家事との兼ね合いを考えると、朝30分早く出勤するくらいしかできません。週2時間(月8時間)勤務時間数が増えても手取り減の補塡(ほてん)は十分ではありません。
それならば、1日の勤務時間数は現状のままにして、…
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特定社会保険労務士
大阪市出身。2023年、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。法学博士(大阪大学2026年)。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書(共著)に『労働事件予防の実務』(第一法規)など。http://www.sr-iyori.com/







