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ゲリラ豪雨で「市ケ谷駅浸水」なぜ防げなかった?

土屋武之・鉄道ライター
8月21日の豪雨で大量の雨水が流れ込んだ市ケ谷駅6番出入り口=2024年8月26日、筆者撮影
8月21日の豪雨で大量の雨水が流れ込んだ市ケ谷駅6番出入り口=2024年8月26日、筆者撮影

 8月21日夜に東京都内を襲ったゲリラ豪雨で、東京メトロ・市ケ谷駅に大量の雨水が流れ込み、改札口やホームが水浸しになる被害が発生した。

 被害の様子はSNS(ネット交流サービス)に次々とリアルタイムで動画投稿され、メディアも現場映像とともに報じた。その光景に衝撃を受けた人も多かったのではないだろうか。今回は「地下鉄の水害対策」について解説してみたい。

想定外の浸水量

 市ケ谷駅は周囲を高台に囲まれており、地形的には「谷底」のような場所にある。雨水が流れ込みやすい土地と言ってよい。

 今回は市ケ谷駅の6番出入り口への水の流入が想定以上だったようで、駅員が「止水板」を設置してこれをせき止めようとした。だが備え付けてあった止水板の格納箱がそもそも水圧で開かなかった。急きょ、シャッターを閉めて対応したが、それも水圧で破損してしまい、浸水を止められなかったという。

東京メトロの水害対策

 地下鉄はその構造上、駅構内やトンネル内に水が流入してしまうと、利用客の安全や列車の運行に大きな影響が及…

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鉄道ライター

1965年、大阪府豊中市生まれ。大阪大学で演劇学を専攻し、劇作家・評論家の山崎正和氏に師事。出版社勤務を経て97年に独立し、ライターに。2004年頃から鉄道を専門とし、雑誌「鉄道ジャーナル」のメイン記事などを担当した。東日本大震災で被災した鉄道路線の取材を精力的に行うほか、現在もさまざまな媒体に寄稿している。主な著書に「ここがすごい!東京メトロ」(交通新聞社)、「きっぷのルール ハンドブック」(実業之日本社)など。