A太さん(42)は従業員300人ほどの会社の営業課長です。2024年8月1日にキャリア採用枠で入社したB子さん(32)から妊娠4カ月の報告を受けました。出産予定日は25年3月20日とのことで、B子さんは2月上旬からの産休を希望しています。出産後は育休の取得も希望しています。
A太さんの会社は2月と3月が繁忙期です。その時期に向けて、仕事に慣れてもらうよう考慮して採用しましたが、その時期は産休に入ることになります。入社早々の妊娠の報告は、これまで前例がありません。
入社してすぐであっても、産休・育休の申し出は可能です。妊娠したこと、産休・育休の申し出をしたことを理由に、会社が従業員の解雇や契約更新など不利益な取り扱いをすることは禁止されています。
ただし、入社して間もない場合、産休は通常通り取得可能ですが、育休については会社の就業規則で取得できないケースがあります。
育休取得の基本ルール
育休は1歳未満の子を養育する従業員が男女問わず取得することができる制度です。取得可能な期間は子の1歳到達までが原則です。1歳到達時点で保育所に入所できないなどの事情がある場合に限り、1歳6カ月までの延長が可能となります。1歳6カ月到達時点でも、保育所に入所できない場合は、2歳までの延長が可能です。
会社によっては、2歳を超えて育休延長を認めているケースもあります。雇用保険制度で休業期間中に支給される育児休業給付金の上限は2歳到達までとなります。
さらに25年4月から、育休延長の際の給付金請求の要件が厳格化されます。1歳到達前と1歳6カ月到達前に、速やかな職場復帰を目指して保育所の利用申し込みをしているかどうかを確認するため、給付金延長を申請する際、利用申込書の写しの提出が求められることになりました。
育休中は、社会保険料(厚生年金保険料、健康保険料、介護保険料)の免除を申請することができます。休業期間中の所得補塡(ほてん)は…
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特定社会保険労務士
大阪市出身。2023年、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。法学博士(大阪大学2026年)。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書(共著)に『労働事件予防の実務』(第一法規)など。http://www.sr-iyori.com/







