A子さん(58)は従業員50人ほどの中小企業で経理と健康保険の事務を担当しています。現行の健康保険証の発行は2024年12月2日から終了し、健康保険証として利用登録したマイナンバーカード(マイナ保険証)を基本とする制度に移行します。1年間の経過措置はあるものの、社員が医療機関の受診で困ることはないのか心配しています。
アナログ世代のA子さんはマイナンバーカードを作成しておらず、作成するつもりもありません。マイナ保険証はマイナンバーカードがなければ所持できない仕組みになっています。
24年9月、中小企業の社員や家族が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)から「資格情報のお知らせ」(資格情報通知書)と書かれたA4判の書面が届き、従業員に配布しました。A子さんは会社で社員向けの事務手続きをどうすればよいのか気になっています。
今後、A子さんのようにマイナ保険証を所持していない社員が病院を受診する際、手続きはどうなるのでしょうか。
「資格確認書」とは
24年12月1日時点で、健康保険証を所持している人は、退職などで資格を喪失しない限り、現在の健康保険証を25年12月1日まで、そのまま使うことができます。
25年12月2日以降は、現在の健康保険証は使えなくなりますが、その時点でマイナ保険証を所持していない人には、加入する健康保険組合や協会けんぽから「資格確認書」が発行されます。資格確認書は現在の健康保険証と同じプラスチックか紙のカードです。
つまり、旧来の健康保険証に代えて、この資格確認書を提示することで医療機関を受診することができます。
24年12月2日以降に会社に入社した人や、結婚や出生などで新たに扶養家族となった人に対しては、従来の健康保険証は発行されません。
この場合、入社などの手続きの際、マイナ保険証を所持しているか否かを会社に申告します。マイナ保険証を所持していない人には…
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特定社会保険労務士
大阪市出身。2023年、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。法学博士(大阪大学2026年)。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書(共著)に『労働事件予防の実務』(第一法規)など。http://www.sr-iyori.com/







