第2期となるトランプ政権が2025年1月に発足する。大統領選挙での勝利後に矢継ぎ早に閣僚人事案を発表したトランプ氏だが、財務長官人事はなかなか決まらなかった。
ようやく11月22日、新政権の財務長官に米ヘッジファンドのマネジャー、スコット・ベッセント氏を起用すると発表した。財務長官人事を巡っては、新政権移行チーム内でさまざまな議論があったことは想像に難くない。
ベッセント氏は有力候補として挙げられていたが、今回の政権で大きな役割を担うイーロン・マスク氏から「従来通りの選択」だとして批判的な評価を受けた。それでもなお、紆余(うよ)曲折を経て、トランプ氏はベッセント氏を指名するに至る。
ベッセント氏は日本ファンとしても、金融業界では有名だ。アベノミクス相場の際には、盟友ジョージ・ソロス氏と手を組み、ビリオン(10億ドル)を稼ぎ出したとして知られている。同時に、米国経済史にも造詣が深く、現在の米国経済システムを、アベノミクスの3本の矢に倣い「3-3-3」で変えていこうとしている。
ベッセント氏の「3-3-3」政策
ベッセント氏の「3-3-3」とは、米国経済の姿として、実質国内総生産(GDP)成長率3%▽財政赤字の対GDP比3%▽原油生産量の日量300万バレル増加――を目指すというものだ。
GDP成長が目標の一つになることは異論があるまい。米国の潜在成長率は2%程度と考えられているが、短期的に現状の潜在成長率を上回る成長率を掲げること自体は、どの政府も目指すところだ。また、分配面ではなく成長面に力点を置くこと、減税および規制緩和により経済を活性化していくことは共和党の基本的な考え方…
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