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転職や退職で使えない?「マイナ保険証」注意すべきこと

井寄奈美・特定社会保険労務士
現行の健康保険証が12月2日以降は発行されなくなることを伝える政府広報の新聞広告=2024年10月26日、清水健二撮影
現行の健康保険証が12月2日以降は発行されなくなることを伝える政府広報の新聞広告=2024年10月26日、清水健二撮影

 A子さん(32)は従業員200人ほどの会社の総務担当者です。2024年12月2日から健康保険証の新規発行が停止となり、マイナンバーカードと健康保険証を一体化した「マイナ保険証」へ移行することになりました。同社では12月16日入社の中途採用の社員がいます。中途採用者の入社手続きを進めるA子さんは注意が必要です。

 まずは、入社や扶養家族の追加など、新たに健康保険の資格を得る場合の手続きについて見ていきます。

 新たに入社する社員や、社員に子どもが生まれるなど扶養家族ができた場合、会社が「資格取得届」「被扶養者異動届」を作成するのは従前と同じです。異なる点は、手続きを進める際、社員がマイナ保険証を所持しているかどうかの確認が必要なことです。

 マイナ保険証を所持している社員については、会社が資格取得届を健康保険組合などに提出することで、会社の健康保険の資格情報が社員のマイナ保険証に反映されることになります。ただし、反映されるまでに少し時間がかかります。

 そのため、事実上、入社してすぐにマイナ保険証を使うことができません。社員は医療機関を受診する前に、マイナポータルで健康保険証情報を確認することが必要です。

前の会社の健康保険が使えてしまう?

 前職を退職してすぐに転職した場合、前職の会社の健康保険の資格情報が残っている可能性があります。前職の会社の健康保険の番号での受診は、退職日以降はできませんが、マイナ保険証に会社の資格情報が残っていれば、使うことはできてしまうという現象が起きます。

 このため、新たに入社する人がマイナ保険証を所持している場合は、急いで医療機関を受診する場合を除き、健康保険組合などで資格登録が完了したことを知らせる「資格情報のお知らせ」という紙の通知が届いてから受診した方が安心です。会社はこの点を社員に伝える方がよいでしょう。

 他方、マイナ保険証を所持していない社員については、旧来の…

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