Mさん(76)は第1次ベビーブーム生まれの「団塊の世代」だ。現役時代は「モーレツ社員」だったが、たまの休みは家族で一緒に過ごそうと、バブル期にリゾートマンションを購入した。見込みは外れ、あまり活用することはなかったが、老後の今、また出番が増えている。
「自然豊かな場所」で過ごしたい
地方出身のMさんは大学進学で上京し、卒業後は大手企業に就職して、朝から晩まで企業戦士として働いた。国内・海外と出張に飛び回り、何日も家に帰らないこともざらだった。
大学時代から交際していた妻とは社会人5年目で結婚し、1男1女を授かったが、家庭や子育てはすべて妻任せになった。
そんななかでも、Mさんは子どもと過ごす時間を作らなければという思いがあった。
同年代の仲間をみると、家族で海外に出かけて楽しんでいるという人が多かった。1980年代に円高が進み、海外旅行はぐんと身近になっていた。
だが、仕事の海外出張が多いMさんは、たまの休みぐらい国内の自然豊かな場所でのんびり過ごすのが一番だろうと考えていた。
Mさんは、夜は満天の星が輝くような田舎で育った。子どものころは近くの海や山で遊ぶのが当たり前で、それが楽しい思い出になっている。仕事に追われる生活のなか、子どもたちにも同じような体験をさせてやりたいという思いが芽生えていた。
そこで、スキーリゾートに温泉付きのリゾートマンションを購入した。当時「リゾートとレジャーの時代」と言われ、リゾートマンションが人気を集めていた。スキーを題材にしたトレンディー映画もヒットしており、Mさん自身、故郷はほとんど雪が降らない地域だったこともあって、スキーができる環境に…
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