原発回帰のエネルギー基本計画を考える(4)
「核燃料サイクルや廃炉といったバックエンド(使用済み核燃料などの後処理)の話は、少しずつではあるが、前に進んでいるし、これから加速していくというようなことが書かれている。必要なことが過不足なく書かれているという印象を持っている」
政府が「エネルギー基本計画」の改定案を公表した2024年12月17日、改定案を議論する総合資源エネルギー調査会(経済産業相の諮問機関)の基本政策分科会で、委員の黒崎健・京都大学複合原子力科学研究所所長は、こう発言した。核燃料サイクルやバックエンドは本当に少しずつでも前に進み、改定案には必要なことが書かれているのだろうか。
核燃料サイクルは、原発の使用済み核燃料を日本原燃の青森県六ケ所村の工場で再処理し、取り出したウランとプルトニウムを原発で再利用しようとするものだ。日本原燃は東京電力ホールディングスなど大手電力会社が出資する再処理や核燃料加工の会社だ。
日本原燃が六ケ所村で建設を進めている使用済み核燃料の再処理工場は、1993年に着工し、当初は97年に完成予定だった。ところがトラブル続きで27回も完成が延期となり、現在は2026年度の完成を目指している。
「官民一体で責任を持って取り組む」
改定案は「核燃料サイクルについて、六ケ所再処理工場の竣工(しゅんこう)遅延などが続いてきた現状を真摯(しんし)に受け止め、直面する課題を一つ一つ解決することが重要だ」と明記。「再処理工場の竣工は必ず成し遂げるべき重要課題であり、審査対応の進捗(しんちょく)管理や必要な人材確保などについて、官民一体で責任を持って取り組む」とした。
しかし、いずれも抽象的な表現で、具体的に踏み込んだ改善策は示されなかった。
このため、分科会の委員を務める福井県の杉本達治知事は「六ケ所の再処理工場については竣工に向けて官民一体で責任を持って取り組むことが明記されているが、重要なことは…
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