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本当に流行語?なぜ「ふてほど」はあんなにたたかれたのか

廣瀬涼・ニッセイ基礎研究所・生活研究部研究員
ユーキャン新語・流行語大賞で年間大賞に選ばれた「ふてほど」=東京都千代田区で2024年12月2日午後3時、幾島健太郎撮影
ユーキャン新語・流行語大賞で年間大賞に選ばれた「ふてほど」=東京都千代田区で2024年12月2日午後3時、幾島健太郎撮影

 2024年の「ユーキャン新語・流行語大賞」で年間大賞に選ばれた「ふてほど」。人気ドラマ「不適切にもほどがある!」の略称としての選出だったが、ネット上では「そんな言葉知らない」「聞いたこともない」といった声があふれる事態となってしまった。

 こうした反応は今に始まったことではなく、もはや師走の風物詩になりつつある。しかし、時代を考えれば当然の現象だ。

「界隈」の時代へ

 インターネット、特にSNS(ネット交流サービス)が普及して以降、大衆的な共感が得られる流行語を見つけるのは難しい時代になっている。前世紀のようにマスメディアがほぼトレンドの拡散役となり、それを大衆が消費していた時代ではないのだから当然だ。

 特にSNSは、自分と同じ趣味や価値観を持つ人々を探しやすく、緩やかなつながりや小さなコミュニティーができやすい。そこに身を置いていれば流れてくるニュースや動画、画像も偏る。こうなると、世間では広く認知されていないものの、自分が身を置く場所では大流行している言葉、というものが生…

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ニッセイ基礎研究所・生活研究部研究員

 1989年生まれ、静岡県出身。2019年、大学院博士課程在学中にニッセイ基礎研究所に研究員として入社。専門は現代消費文化論。「オタクの消費」を主なテーマとし、10年以上、彼らの消費欲求の源泉を研究。若者(Z世代)の消費文化についても講演や各種メディアで発表を行っている。NHK「BS1スペシャル-『“Z世代”と“コロナ”』」、テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」、TBS「マツコの知らない世界」などで製作協力。本人は生粋のディズニーオタク。