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2月1日、JRが国鉄の歴史を追い抜く 変わりゆく鉄道のあり方

土屋武之・鉄道ライター
JR発足を翌日に控え、山手線の車両にステッカーをはる作業員=東京・品川区の大井工場で
JR発足を翌日に控え、山手線の車両にステッカーをはる作業員=東京・品川区の大井工場で

 2025年2月1日は、日本の鉄道史の中で記憶にとどめておきたい日なのだが、残念ながら現時点で話題としての盛り上がりは乏しいようだ。

 日本国有鉄道(国鉄)は1949年6月1日に発足し、分割民営化により87年3月31日に消滅した。存続期間は37年と10カ月だ。これに対し、国鉄の路線・列車網を引き継いで87年4月1日に発足したJR各社は、25年2月1日でその歴史が37年10カ月を越える。この日を境に、国鉄よりJRの歴史のほうが長くなるわけだ。

 戦後復興と高度経済成長期の輸送を支えた国鉄は、日本経済の発展に人の移動と物流の両面から大いに貢献した。一方、JR各社はバブル景気の時代にスタートし、インターネット時代、少子高齢化時代という激変期の中を走り続けている。今回は、それぞれの歴史を改めて振り返ってみたい。

戦後の混乱期に発足

 国鉄は、それまで鉄道省など政府官庁が直接、運営していた鉄道を引き継いだ公共企業体(公社)だ。戦後占領期、GHQ(連合国軍総司令部)の介入もあって設立された組織で、発足直後は「下山事件」「三鷹事件」「松川事件」といった不穏な事件も立て続け…

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鉄道ライター

1965年、大阪府豊中市生まれ。大阪大学で演劇学を専攻し、劇作家・評論家の山崎正和氏に師事。出版社勤務を経て97年に独立し、ライターに。2004年頃から鉄道を専門とし、雑誌「鉄道ジャーナル」のメイン記事などを担当した。東日本大震災で被災した鉄道路線の取材を精力的に行うほか、現在もさまざまな媒体に寄稿している。主な著書に「ここがすごい!東京メトロ」(交通新聞社)、「きっぷのルール ハンドブック」(実業之日本社)など。