A子さん(52)は従業員50人ほどのコンサルティング会社の社員です。新年早々、クライアント(顧客企業)の課長であるB夫さん(50)から新年会の誘いを受けました。B夫さんの部下も同行させるので、A子さんのアシスタントのC子さん(37)も「ぜひ一緒に」とのことでした。ところが新年会で“事件”が起きました。
A子さんは普段からクライアントなど外部の人との付き合いには慣れています。酒席も苦ではなく、B夫さんの会社を含め、クライアントから声がかかれば参加するようにしていました。
ただ、内勤のアシスタントも誘われたのは今回が初めてです。C子さんはパート勤務で、家事があるため毎日17時に退勤しています。会社で作業を進める際、データのやりとりをクライアントと行うことがありますが、B夫さんと面識はありません。
そんなC子さんにクライアントとの酒席を依頼してよいのか、A子さんはちゅうちょしました。ただ、B夫さんの会社はA子さんにとってメイン先であり、むげに断ることもできません。
上司に相談したところ、「C子さんに参加を強制はできないが、お客様からの好意だと思うので、C子さんの考えを聞いてみたらどうか」と言われました。
翌日、A子さんがC子さんに聞いてみたところ、「お客様が私にも声をかけてくださったのは、うれしいです。新年会なんて何年も参加していないので、都合をつけて参加します」とのことでした。
酒席での質問攻撃
新年会が始まりました。B夫さんの部下とC子さんは口数が少なく、主としてB夫さんとA子さんが話題を提供する形でした。
お酒が進むにつれ、B夫さんからC子さんへの質問攻撃が始まりました。「A子さんはどんな上司か」に始まり、「結婚して何年か」「お連れ合いとの出会いは? お連れ合いは何をしている人か」など、プライベートまで聞くようになりました。
A子さんの職場では、他人のプライベートには口を出さない、詮索しないがルールでした。このため本人が…
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特定社会保険労務士
大阪市出身。2023年、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。法学博士(大阪大学2026年)。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書(共著)に『労働事件予防の実務』(第一法規)など。http://www.sr-iyori.com/







