日本銀行は1月24日の金融政策決定会合で、政策金利を0.25%程度から0.5%程度へと引き上げた。利上げは昨年7月以来、政策金利の0.5%は17年ぶりの水準となった。会合後の記者会見で日銀の植田和男総裁はさらなる追加利上げの可能性に言及した。今後の焦点は1995年9月以降なかった約30年ぶりの「金利0.5%の壁越え」がいつになるかだ。
日銀が追加利上げに動いた背景には、米国のトランプ政権が追加関税などの経済政策を打ち出す前に利上げを行うことで、トランプ政権の経済政策によって日本経済が仮に悪化する場合に備えて、利下げの「のりしろ」を一定程度確保しておく、という日銀の計算もあったのではないか。
1月利上げは予想通り
筆者は従来、1月の利上げをメインシナリオとしており、今回の日銀の追加利上げは予想通りだった。
しかし、昨年12月の会合後の記者会見で植田総裁は利上げに慎重な「ハト派」的と受け止められる発言をした。植田総裁は、利上げの条件として(1)春闘での賃上げのモメンタム(2)トランプ政権の経済政策の影響の見極めが必要だと二つの条件を示した。この植田総裁の発言により、金融市場では早期の利上げ観測は遠のき、利上げは今年3月以降との見方が強まった。
実際に日銀は12月会合時点では利上げのコンセンサス(合意形成)は1月ではなかったのだろう。しかし、私は植田総裁がそのような「ハト派」的な情報発信をすると円安が進み、利上げの時期が前倒しになるとみて、1月利上げというメインシナリオを変えなかった。
結果的に円安が進み、利上げの時期が前倒しになった。追加利上げを決めた1月23日、24日の金融政策決定会合の事前に植田総裁が「利上げを行うかどうか議論し、判断する」と述べ、金融市場の地ならしを進めたことで、金融市場は直前には利上げを強く織り込んでいた。
日銀は、12月会合後に後ずれした金融市場の…
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