トランプ米大統領は2月1日、メキシコとカナダ、中国に対し、関税を課す大統領令に署名した。メキシコ・カナダについては実施が先送りされたものの、トランプ大統領の関税政策をあくまで取引のための「ツール」と甘く見ると先行きを見誤るかもしれない。かつての繁栄を享受できないことに対する米国民の不満や危機感は想像以上に根深いからだ。今後、トランプ大統領は、米国復権を目指し、あの手この手でライバルをつぶしにくるだろう。その矛先は日本など同盟国にも向けられることになりそうだ。
いよいよ動き始めたトランプ政権の関税政策
就任前から紙面をにぎわす話題に事欠かないトランプ大統領。その看板政策の一つである関税引き上げが、いよいよ動きだした。
「我々は米国人を守る必要がある。全ての米国民の安全を確保することが大統領としての私の使命だ」。トランプ大統領は2月1日に自身のソーシャルメディアでこう投稿し、不法移民や麻薬流入への対抗措置として、メキシコ・カナダ・中国への関税を引き上げる大統領令に署名したことを明らかにした。
これによって、メキシコとカナダからの輸入に25%(カナダのエネルギーに対しては10%)、そして中国製品には10%の追加関税が課されることになる。
これに加え、トランプ大統領は、欧州連合(EU)からの輸入品に対して追加関税をかける意向を示したほか、同盟国を含む他の国についても国家安全保障の観点からエネルギー資源や鉄鋼、自動車、半導体といった戦略製品にも関税を課す方針だ。
関税は大統領の判断でいつでも撤回できるとはしているものの、米国第一主義を貫くトランプ政権の本気度を内外に示した格好で、自称タリフマン(関税男)の面目躍如といったところだろう。
一方、名指しされた形の3カ国は、早々に対抗措置を講じる方針を示したものの、メキシコ・カナダについては実施直前に行われたトランプ大統領との会談で国境…
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