第2期となる米国のトランプ政権が2025年1月20日に発足した。発足から間もなく、トランプ大統領はカナダ、メキシコ、中国などへの関税発動を示唆。その理由はさまざまだが、ついに2月1日には、それぞれの国に対して関税賦課を発表している(その後、カナダとメキシコに対しての関税賦課は1カ月延期となった)。
筆者は職業柄、為替市場の値動きに当然ながら注目してきた。その為替相場はといえば、1月上旬にかけてドル高が進行してきたところ、米金利の低下、日銀の利上げ実施、中国の人工知能(AI)新興企業ディープシーク・ショックなどもあり、2月1日にかけては円高に振れてきている。
やや長い期間で見ると、昨年11月の大統領選以降は「トランプ相場」とも言える状況であり、米国の長期金利上昇と同時にドル高が生じていた。為替の需給や政策金利見通しはどちらかといえば相場のテーマではなかった。
対照的に筆者は年末年始にかけて、このような需給や政策金利見通しに関する問い合わせを多くいただくこととなった。さらに上述の通り、日銀の利上げの動きも為替市場に影響を与えていたことは間違いない。
では、ドル円の為替相場を規定しているのは、需給か、政策金利か、あるいはトランプ相場に代表されるような政治的なカタリスト(材料)か。今後のドル円相場を決める三つの視点をたしかめたい。
「需給」から見ると円安が予想される
筆者の所属するグループに新人が配属されると、そのトレーニングの最初に為替の需給分析をしてもらうことにしている。具体的には、代表的な教科書の一つである「国際収支の基礎・理論・諸問題」(棚瀬順哉編著・財経詳報社)を読み、国際収支統計から読み取れる為替ドル円の需給構造を明らかにするというものだ。
為替の需給分析を行うと、ここ数年、日本円を取り巻く環境は円安圧力が強いという結論が得られる。コロナ禍後やウクライナ情勢悪化後に…
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