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原発費用めぐる注目の控訴審判決「政府の主張は論外」か?

川口雅浩・経済プレミア編集部
東京電力福島第1原発の2号機(左)と1号機=福島県内で2025年2月15日、共同通信社ヘリから
東京電力福島第1原発の2号機(左)と1号機=福島県内で2025年2月15日、共同通信社ヘリから

原発の賠償費用上乗せを考える(2)

 「『過去に安価な原子力発電による電気を利用してきたにもかかわらず、現在の電力利用者がその費用を負担しないことは不公平だ』との政府の意見は、経済学的にも論外だ」

 東京電力福島第1原発事故の賠償費用と全国の老朽化原発の廃炉費用について、政府は原発を持たない新電力の契約者にも、2020年度から送電線の使用料(託送料金)に上乗せして負担を求めている。

 冒頭の発言は、新電力の「グリーンコープでんき」(福岡市)が託送料金をめぐって起こした行政訴訟の控訴審で、八田達夫・大阪大名誉教授が意見書の中で語ったものだ。「政府の意見は経済学的にも論外」とは、どういうことなのか。

 八田氏は政府の電気事業審議会の専門委員や電力・ガス取引監視等委員会の初代委員長を務めた経済学者だ。電力システムや公共経済学を専門とし、政府の政策立案や執行に携わった八田氏の発言だけに注目された。

「送電以外の費用を上乗せすべきでない」

 電力自由化で東電など大手電力から新電力に契約を切り替える消費者が増えた場合、大手電力は巨額の賠償や廃炉の費用を賄えなくなる。このため経済産業省は「今は原発の電気を使っていなくても、過去に安価な原発の電気を利用した新電力の契約者にも公平に負担してもらう」と主張し、託送料金に上乗せしてきた。

 八田氏は焦点の託送料金について「(施設の建設費や維持運営費など)送電費用のみに基づいて算定すべきだ。(政府が定めた託送料金の原則は)送電費用以外の費用を上乗せすべきでないと明示している」と指摘した。

 1審の福岡地裁は、賠償や廃炉の費用を託送料金へ上乗せすると政府が決定したことについて…

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経済プレミア編集部

1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部。