A太さん(28)は不動産会社の営業マンです。4月で入社6年目となるはずでしたが、大学時代の先輩に誘われ、4月から投資関連の会社に転職することを決めました。今の会社に退職を申し出るタイミングで悩んでいます。
会社に退職を申し出るタイミングを就業規則で調べると、「退職を希望する日の1カ月前までに申し出ること」との記載がありました。A太さんは3月末の退職を希望しているため、本来なら2月末までに申し出なければなりませんでした。
しかし、A太さんはまだ退職の申し出をしていません。次の会社には4月1日から入社すると伝えています。3月末で無事退職できるか心配しています。
就業規則は「1カ月前」だが
A太さんの会社では、営業担当社員の場合、2カ月ごとの契約額に応じて報奨金を支給する制度があります。A太さんは1~2月に大口契約を決めており、約20万円の報奨金を受け取る見込みです。ただし、支給日時点で退職が決まっている社員は報奨金の対象外になるというルールがあります。
A太さんは、これらの大口契約をとるために昨春以降、相当な時間をかけました。報償金はその努力に対する当然の対価と考えており、取り逃がしたくありません。考えた結果、報奨金が支払われる営業会議(3月14日)を終えた翌週に退職の申し出をすることにしました。
退職を申し出るタイミングについて、就業規則は「1カ月前までの申し出」となっていますが、インターネットで検索すると、「2週間前までの申し出で可能」という記述を見つけました。2週間前で可能であれば、3月17日に申し出をすれば、3月31日の退職に間に合います。
A太さんは営業で成果を出しているため、報奨金を得る権利が当然あると考えています。一方、確実に報奨金を受け取るために、退職日までの引き継ぎ期間が会社の規定より短くなってしまうことは気になっています。
退職した後に「引き継ぎが十分でなかった」と言われるのが嫌なので、A太さんは…
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特定社会保険労務士
大阪市出身。2023年、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。法学博士(大阪大学2026年)。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書(共著)に『労働事件予防の実務』(第一法規)など。http://www.sr-iyori.com/







