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東電の「今夏の原発再稼働」そんな簡単に実現できる?

川口雅浩・経済プレミア編集部
東京電力の柏崎刈羽原発。左から7号機、6号機=新潟県で2021年4月13日、本社機「希望」から
東京電力の柏崎刈羽原発。左から7号機、6号機=新潟県で2021年4月13日、本社機「希望」から

柏崎刈羽原発どうなる(2)

 東京電力は今夏までに、新潟県の柏崎刈羽原発7号機を再稼働させ、7号機がテロ対策施設の設置期限で停止する2025年10月までに6号機を再稼働。6号機の設置期限(29年9月)までに7号機のテロ対策施設を完成させ、再び7号機を運転――という工程を考えている。東電は25年3月17日、同原発を25年度以降、少なくとも1基は再稼働させる方針を明らかにした。東電が描くこの工程は、うまく進むのか。

 柏崎刈羽原発7号機は「特定重大事故等対処施設」(特重)と呼ばれるテロ対策施設の完成予定が、当初の25年3月から29年8月に延期となった。

 原子力規制委員会は特重について、原発の再稼働に向けた工事計画の認可から特重の完成まで5年間の猶予期間を設けている。柏崎刈羽原発の場合、7号機は25年10月、6号機は29年9月が特重の設置期限だ。特重の設置期限までの猶予期間であれば、東電はルール上、原発を動かすことができる。

7号機と6号機をリレー運転?

 話が少しややこしいので、もう一度整理しよう。東電が描くシナリオとはこうだ。東電はまず7号機を今夏までに再稼働させる。その場合、7号機は25年10月には停止しなくてはならない。

 そこで東電は25年10月までに今度は6号機を再稼働させる。6号機は期限となる29年9月まで定期点検をはさんで動かすことができる。

 その間、東電は7号機と6号機の特重の建設を急ぐ。予定通り29年8月に7号機の特重が完成すれば、6号機が運転を停止する前に7号機を再稼働できるというわけだ。

 果たして、そんなに都合よく再稼働が進むのか。再稼働には地元の新潟県などの同意を得る必要がある。花角英世知事は同意の可否を慎重に判断する意向で、今夏までに最終判断するかどうかわからない。

 そんな今の局面で、本当に東電は25年10月までの短期間であっても7号機を再稼働させるつもりなのか。さらに6号機の再稼働も目指すのか――。25年2月27日、柏崎刈羽原発で行われた東電の記者会見では…

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経済プレミア編集部

1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部。