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池上彰氏「アメリカ経済のためのトランプ関税が逆効果のワケ」

池上彰・ジャーナリスト
海外からの輸入品に次々に高い関税をかけるアメリカのトランプ大統領=AP
海外からの輸入品に次々に高い関税をかけるアメリカのトランプ大統領=AP

 アメリカのドナルド・トランプ大統領は海外からの輸入品に次々に高い関税をかけています。こうすることでアメリカの経済を強くすると主張していますが、実際にはアメリカ経済に悪影響が出るのです。その理由を考えましょう。

輸入品にかける税金

 関税とは、外国から入ってくる商品にかける税金のことです。似たような名前に「税関」がありますが、これは海外から違法な品物が入ってこないか監視する役所のことです。

 トランプ大統領は、メキシコやカナダから入ってくる輸入品に25%の関税をかけました。また世界中から入ってくる鉄鋼やアルミニウム、自動車などにも25%の関税をかけると発表しました。

 たとえば海外から輸入される自動車に25%の関税をかけると、アメリカ国内で販売される自動車の値段が、それだけ高くなります。するとアメリカの消費者は「値段の高い外国製の自動車よりアメリカの自動車を買おう」と考えるので、アメリカ製の自動車が売れる。こう考えているのです。

 でも、こうした税金を払うのは、輸入品を扱うアメリカの会社です。つまり、アメリカの自動車会社を守るはずが、輸入自動車を扱うアメリカの会社がたくさんの税金を払わなければならなくなり、アメリカの会社を困らせることになるのです。

アメリカの会社も困る

 それだけではありません。実はアメリカの自動車会社は、自動車の組み立てに使う部品の多くをメキシコやカナダから輸入しているのです。これらにも25%の関税がかかりますから、アメリカの自動車の製造コストが上がってしまい、結局はアメリカの自動車の値段も上がってしまうのです。

 そうなると、輸入自動車もアメリカの自動車も値段が上がり、アメリカの消費者が困ります。

 トランプ大統領が輸入品に次々に関税をかけるものですから、「アメリカの会社も大きな影響を受ける」ということがわかってきて、アメリカの会社の株価も下がっています。トラン…

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ジャーナリスト

 1950年、長野県生まれ。ジャーナリスト。慶應義塾大学卒業後、73年にNHK入局。94年から11年にわたり「週刊こどもニュース」のお父さん役を務め、わかりやすい解説が話題になる。2005年よりフリーのジャーナリストとして、テレビ、新聞、雑誌、書籍などで幅広く活躍。現在、名城大学、東京工業大学など6つの大学で学生たちの指導にもあたっている。