現地で見たソーラーシェアリング(1)
農地に太陽光パネルを置き、農業と発電を両立させる「ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)」が全国で増えている。耕作放棄地の有効活用策として期待されるソーラーシェアリングとは一体どんなものか。実際に現地を訪れてみた。
ソーラーシェアリングとは、文字通り太陽の光(ソーラー)を農業と発電で分け合うことだ。畑や水田の上に柱を建て太陽光パネルを置くことで、農作物にとっては適度な遮光となる。パネルの角度を変えるなどして日射量を調整することで、営農と発電が両立できる。農作物によっては直射日光をうまく遮り、真夏の日焼けを防ぐことで、生育にプラスの効果があるという。
農地を利用するため、ソーラーシェアリングを行うには自治体の農業委員会から農地の「一時転用」の許可が必要になる。農林水産省は2013年に農地転用のルールを明確化。これまでに農地法施行規則で基準を定めたほか、ガイドラインを設けるなど、まだ課題は残るものの、ソーラーシェアリングの環境整備を進めてきた。
農水省によると、ソーラーシェアリングのための農地一時転用の累計は13年度の103件から22年度は5351件に増え、農地面積は13年度の16ヘクタールから22年度は1209ヘクタールに拡大した。
農家にとっては太陽光パネル設置の初期投資が必要だが、従来の農業収入に加え、売電収入を得ることができる。農水省によると、ソーラーシェアリングで発電を始めた事業者のうち、農家や農地の所有者は全体の3割で、残る7割は新規参入の発電事業者となっている。
「耕作放棄地に新しい価値を」
実際のソーラーシェアリングはうまくいっているのか。先進地のひとつとされる神奈川県の現場を訪れてみた。
神奈川県小田原市周辺でソーラーシェアリングを運営する「小田原かなごてファーム」の小山田大和社長は、東京電力の福島第1原発事故を契機にエネルギー問題に関心を持つようになった。
その後、脱サラした小山田さんは…
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