企業が株主優待を導入する動きが再燃している。近年は「公平な利益還元に反する」として廃止の動きがあったが、2024年は5年ぶりに新設が廃止を上回った。24年から少額投資非課税制度(NISA)が拡充されたことなどを背景に、個人投資家を長期安定株主として取り込む狙いがある。
株式投資の主なきっかけに
株主優待は、権利日に一定以上の株式を保有する株主に、配当以外の商品やサービスを提供する制度。明治時代にはすでに鉄道会社が優待券を提供していたなど、長い歴史を持つ。航空会社の優待券、飲食店の食事券、食品会社の製品詰め合わせなどが代表格だ。
自社の製品・サービスの利用を通じて事業への理解を深め、ファンになってもらうことで、長期保有を促す効果があるとされる。近年は、地域特産品やカタログギフト、QUOカードやおこめ券、社会貢献活動の提供など広がりをみせている。
海外でも小売店やホテルが株主に自社の製品・サービスの割引を提供している例はあるが、広く普及しているのは日本だけだ。
日本の個人投資家は株主優待への関心が高く、株式投資の主な動機となっている。
日本証券業協会が24年7月、個人投資家5000人に行った意識調査によると、有価証券に興味・関心を持ったきっかけ(複数回答可)は、株主優待が31%で、NISA39%や収入増31%に次ぐ。
株式の投資方針(同)についても、株主優待重視は10%で、ある程度値上がり益があれば売却49%▽配当・分配金・利子重視22%▽値上がり益重視で短期売却11%――に次ぎ、一定の位置を占める。
大和インベスター・リレーションズによると、上場企業の導入割合は1993年(9…
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