環境エネルギー最前線 フォロー

農場の太陽光発電を「再エネ100%」で届ける新電力の狙い

川口雅浩・経済プレミア編集部
神奈川県開成町の「小田原かなごてファーム」の農地で発電した電気は新電力「グリーンピープルズパワー」が付加価値をつけて販売している=2025年3月7日、川口雅浩撮影
神奈川県開成町の「小田原かなごてファーム」の農地で発電した電気は新電力「グリーンピープルズパワー」が付加価値をつけて販売している=2025年3月7日、川口雅浩撮影

現地で見たソーラーシェアリング(3)

 農地に太陽光パネルを置き、農業と発電を両立させる「ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)」。神奈川県小田原市周辺でソーラーシェアリングを運営する「小田原かなごてファーム」が発電した電気は、付加価値を高めて消費者に届けているという。どういうことなのか、現地を訪ねて聞いてみた。

 同ファームの太陽光発電の売電先のひとつは、新電力の「グリーンピープルズパワー」(GPP、東京都新宿区)だ。2017年設立のGPPは20年から本格的に太陽光発電など再生可能エネルギーの買い取りと電気の小売りを行っている。

 GPPは同ファームが神奈川県開成町のソーラーシェアリングで発電した電気を東京都民向けに「再エネダイレクト」という商品名で25年2月から販売している。

 再エネダイレクトとは、文字通り太陽光発電の再生可能エネルギーを、発電した分だけ消費者にそのまま届けるサービスだ。ソーラーシェアリングで発電した電気と明示して消費者に供給するサービスは業界初という。

晴天時の昼間は「再エネ100%」

 もちろん、同ファームの電気が神奈川県から送電線を通じて、そのまま東京都の契約者に届くわけではない。現地で発電した分と同じ量の電気を契約者に供給するというわけだ。

 開成町の同ファームの発電量には限りがあるため、再エネダイレクトの契約者も限られる。25年2月に約80件の契約でスタートし、今夏をめどに約120件まで増やす。GPPが千葉県市原市に所有するソーラーシェアリングの太陽光発電所も、東京電力の送配電網につながりしだい再エネダイレクトに加える予定だ。

 晴天時の昼間などは「再エネ100%」となるのが再エネダイレクトの付加価値だ。夜間など太陽光発電が稼働しない時間は、GPPが風力発電の電気や日本卸電力取引所(JEPX)から必要な電気を調達して契約者に供給する。太陽光パネルの下ではコメや…

この記事は有料記事です。

残り1148文字(全文1950文字)

経済プレミア編集部

1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部。