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政府目標4割達成も「多すぎるキャッシュレス」の課題

渡辺精一・経済プレミア編集部
=Getty Images
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 キャッシュレス決済が暮らしの中に浸透してきた。2024年の個人消費に占める比率は42.8%となり、政府目標の「25年6月までに4割」を前倒しで達成した。ここ数年でQRコード決済が普及したことが大きい。ただ、主要国と比べ日本の水準はまだ低く、今後の積み上げには課題もある。

当初予想を上回る浸透「三つの要因」

 経済産業省によると、24年のキャッシュレス決済額は141兆円(前年比11.3%増)だった。クレジットカード▽電子マネー▽デビットカード▽QRコード――について、日本クレジット協会、日銀、キャッシュレス推進協議会の統計を集計した。

 現金志向が強い日本では、15年のキャッシュレス決済比率は18.2%にとどまっていた。政府は、店舗の効率化▽税収の向上▽ビッグデータ活用▽新産業創出――などのメリットが大きいとして、17年から成長戦略としてキャッシュレス推進を掲げ、25年6月までに40%とする目標を掲げていた。

 当時、目標のハードルは高いという見方が大勢だったものの、普及のスピードは予想を上回った。

 これには三つの要因がある。

 第一に、決済事業者間の競争だ。

 特に新興のQRコードでは、「PayPay」などの決済事業者が顧客開拓のため大規模なポイント還元キャンペーンを競い、利用者が急増した。

 第二に、政府のキャッシュレス推進策だ。

 消費増税の19年10月から「キャッシュレス・消費者還元事業」として、中小事業者向けに機器導入支援や消費者へのポイント還元を行った。20年からはマイナンバーカードを使って申し込むとキャッシュレス決済にポイントが付く「マイナポイント事業」を実施した。

 第三には…

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経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。