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池上彰氏「イスラエルに攻撃を仕掛けたハマスとは何者か」

池上彰・ジャーナリスト
ハマスの軍事部門「カッサム旅団」の戦闘員ら=パレスチナ自治区ガザ市内で2014年8月、大治朋子撮影
ハマスの軍事部門「カッサム旅団」の戦闘員ら=パレスチナ自治区ガザ市内で2014年8月、大治朋子撮影

 ハマスの正式名称は「イスラム抵抗運動」といいます。そのアラビア文字表記の頭文字を連ねると「情熱」という意味を持つ単語である「ハマース」となり、これを私たちは日本語読みで「ハマス」と通称しています。イスラム教スンニ派の原理主義組織であり、情熱を持ってパレスチナからイスラエルを追放する活動をしている組織というわけです。

 ハマスの源流は、西洋からの独立とイスラム文化の復興を掲げて結成された、エジプトのムスリム同胞団のパレスチナ支部です。

 1987年12月、イスラエル占領下のガザ地区で発生したイスラエル人とパレスチナ人の交通事故をきっかけに、パレスチナ人が蜂起しました。これを「民衆蜂起」(インティファーダ。アラビア語で「振り払う」の意)と呼びます。

 当時のパレスチナ人の抗議行動は、イスラエルの警察や軍に対する投石やストライキが中心でしたが、イスラエルはこれをゴム弾や実弾を含む激しい武力で鎮圧しました。このイスラエルの武力行使に対抗するため、ガザ地区で結成されたムスリム同胞団パレスチナ支部の武装闘争部門―それがハマスです。

 ハマスはイスラエルを国家として認めておらず、パレスチナの地からイスラエルを排除し、パレスチナ国家を建設することを目標としています。その手段として武力闘争を掲げ、イスラエルに対して多数の自爆テロ攻撃などを実行してきました。

 一方で、ハマスはガザ地区の住民を慈善活動や教育支援で支え、住民から支持を得ました。その結果、2006年1月にパレスチナ自治政府で行われた選挙で、ハマスの政党はイスラエルと和平交渉を続けるという立場をとる穏健派の政治勢力・ファタハを降し、過半数の議席…

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ジャーナリスト

 1950年、長野県生まれ。ジャーナリスト。慶應義塾大学卒業後、73年にNHK入局。94年から11年にわたり「週刊こどもニュース」のお父さん役を務め、わかりやすい解説が話題になる。2005年よりフリーのジャーナリストとして、テレビ、新聞、雑誌、書籍などで幅広く活躍。現在、名城大学、東京工業大学など6つの大学で学生たちの指導にもあたっている。