高齢化時代の相続税対策 フォロー

78歳の相続対策「地価上昇とインフレ」に備えるには

広田龍介・税理士
=Getty Images
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 関西在住のSさん(78)は毎年、確定申告の時期になると、1年間の収入や資産の状況を振り返り、今後の運用や相続対策について思いをめぐらしている。

地価と株価はどうなる

 Sさんの収入は、東京都内に所有する賃貸マンション2戸の家賃収入、株式の運用損益と配当、それに年金だ。

 今年の確定申告を終えた今、気になっていることが二つある。一つは、マンション価格の上昇トレンドがこの先、いつまで続くのかということ。もう一つは、荒れ相場にある株価が今後どうなるかということだ。

 マンション2戸は相続で取得したものだ。相続対策を考えると、このまま不動産として保有し続けるか、売却して金融資産で運用するかを悩んでいる。

 賃貸マンションとして保有していれば、相続税の評価額が実勢価格より低くなり、貸し付け事業としての評価減が受けられる節税メリットがある。

 また、不動産で保有するとしても、Sさんの地元である関西の不動産に組み替えるという選択肢もある。

 一方で、資産管理という点から考えれば、金融資産運用は不動産より手間がかからない。節税対策よりも、資産運用に力点を置いたほうがいいという考え方もできる。

「億ション」は当たり前になったが

 東京都心の不動産価格やタワーマンションの賃料は高騰ぶりがめざましい。とはいえ、Sさん所有の…

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税理士

1952年、福島県いわき市生まれ。85年税理士登録。東京・赤坂で広田龍介税理士事務所を開設。法人・個人の確定申告、相続税申告、不動産の有効活用などを中心に幅広くコンサルティング活動を続けている。相続税に関する講演やセミナーも開催している。