トランプ政権の非関税障壁を考える(1)
トランプ米政権は2025年4月9日、米国が巨額の貿易赤字を抱える約60カ国・地域に「相互関税」を発動した。その後、日本など米国との交渉を求める国・地域については90日間停止すると発表したが、既に25%の自動車関税は発動済みで、日本経済に大きな打撃となる。今後は日米両政府が関税措置をめぐり本格的な協議に入るが、米国は日本の何を「非関税障壁」と主張しているのか。その主張の中には、私たちが驚くべき内容もある。
米国が「日本に非関税障壁がある」と指摘する項目は多岐にわたるが、日本にとってとりわけ重要なのは自動車とコメなどの農産物だろう。
トランプ政権は4月2日、全世界を対象とした一律関税と貿易赤字国・地域を標的にした相互関税の詳細を発表した。そのベースとなっているのは、米通商代表部(USTR)が「各国の税制や規制など米国の輸出を阻害する」と指摘する非関税障壁だ。
USTRは米国の通商政策を担う大統領直属の機関で、通商交渉で米国を代表する。USTRが主張する日本の非関税障壁を知ることは、今後の日米交渉の大前提となる。
日本の自動車認証制度は非関税障壁?
そこで注目すべきは、USTRが3月31日に公表した2025年の「外国貿易障壁報告書」だ。トランプ大統領はこれまでの記者会見で同報告書を手に掲げ、相互関税を発動した理由を説明している。
同報告書は397ページ。そのうち日本に関する記述は11ページだ。中国の48ページ、欧州連合(EU)の34ページよりも記述は少ないが、日本と同じ同盟国の韓国(7ページ)より多い。
日本に関する11ページの記述の中で、最も長く言及しているのは自動車だ。「米国は米自動車メーカーが日本の自動車市場にアクセスできないことに、これまで強く懸念を表明してきた。幅広い非関税障壁が日本市場へのアクセスを阻害しており、米国車と米自動車部品の販売は低いままだ」と、従来通りの主張を繰り返している。
具体的な非関税障壁として筆頭に挙げるのは、日本の…
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