トランプ政権の非関税障壁を考える(2)
米通商代表部(USTR)が2025年3月31日に公表した25年の「外国貿易障壁報告書」は、日本の自動車分野の非関税障壁として、自動車の認証制度だけでなく、電気自動車(EV)への補助金や充電インフラにも言及している。一体どんなことか。
USTRは報告書で「日本は100%クリーンなエネルギー車への移行を目指し、EVやハイブリッドカー、燃料電池車などに補助金を支給している。補助金は車種による。日本は補助金制度を改変し、EVは12万円から85万円の幅になったが、日本メーカーを最も優遇している」と指摘している。
これは経済産業省の「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」を指しているとみられる。24年度はテスラモデルYの補助金が65万円なのに対して、トヨタbZ4Xや日産リーフが85万円となっている。これらの違いにUSTRは懸念を表明しているのだろう。
経産省は「24年度から車両の評価に加え、自動車分野のGX(グリーントランスフォーメーション=脱炭素化)の実現に必要な要素を総合的に評価して車両の補助額を決定している」と説明する。しかし、補助金の一覧表を見ると、テスラより安価なリーフの方が補助額が大きいなど、理解に苦しむ点があるのは否めない。
「チャデモは時代遅れ」
さらにUSTRはEVの充電方式にも言及する。日本発祥の急速充電方式「CHAdeMO(チャデモ)」について、報告書は「日本はEVの充電施設にも補助金を支給しているが、チャデモが求められている。チャデモはかつて日本以外の国でも用いられたが、日本の自動車メーカーは23年、北米や欧州、中国でEVを売るために他方式を承認し、米欧の自動車メーカーの陣営に加わった」と指摘している。
これはテスラが「スーパーチャージャー」と呼ぶ自社の充電方式を北米充電規格(North American Charging Standard=NACS)として他メーカーにも開放。日産自動車が23年7月、NACSを米国とカナダで採用することでテスラと合意したことなどを指している。
それまで日産は北米でコンバインド充電システム(Combined Charging System、略称コンボ)という北米の充電規格(CCS1)を採用していた。米国ではテスラ方式(NACS)の評価が高く、テスラが他メーカーの使用を認めたことから、日産は日本の自動車メーカーとして、いち早くNACSにも対応できるよう充電方式を改めた。
その後、ホンダ、トヨタ自動車のほか、ゼネラル・モーターズ(GM)やフォードなど海外の大手主要メーカーもテスラ方式の採用を決め、事実上、NSCAが北米の…
この記事は有料記事です。
残り1861文字(全文2980文字)







