少額投資非課税制度(NISA)で、毎月分配型の投資信託を高齢者限定で解禁する案が浮上した。毎月分配型は資産形成には向かないためNISAの対象外だが、高齢者には定期収入が入る金融商品のニーズがあり、自民党議連が改正を提言した。だが、制度が複雑化するうえ、高齢者を特定の金融商品に誘導する懸念がある。
毎月分配型は資産形成には不向き
投信は、投資家から集めたお金を専門家が株式・債券などで運用する金融商品だ。少額から購入でき、分散投資しやすいため、個人の資産形成の中核的な手段となる。
運用成果は決算で取りまとめる。決算回数は年1回が最も多いが、毎月分配型は毎月決算を行い、その都度分配金を支払う方針に特徴がある。
この結果、運用成果は下がるため、金融庁は、毎月分配型は「安定的な資産形成に向かない」としてNISAの対象外としている。
なぜ、不向きなのか。要因は二つある。
第一に、複利効果が働きにくい。
投信には分配金を出さないタイプもある。運用元本に組み込んで再投資し、複利効果から運用成果を高める狙いで、NISAのつみたて投資枠対象の投信は大半がこのタイプだ。
逆に、毎月分配型は複利効果の機会を失うため、運用成果は得にくい。課税口座の場合、分配金(普通分配金)にその都度約20%の課税があるため、さらに不利だ。
第二に、運用元本が目減りする可能性がある。
分配金は投信の純資産から支払うが、収益分で足りない場合は、運用元本を取り崩す。金融業界では、タコが自分の足を食べることになぞらえ「タコ足配当」と呼ぶ。
それでも毎月分配型は根強い人気がある。特に高齢者には「分配金が小遣いのように毎月入る…
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