劇場アニメ「攻殻機動隊」などで世界的に評価されている押井守監督は、2004年に「すべての映画はアニメになる」(徳間書店)という著作を著した。20年以上がたった現在、その言葉は現実となりつつある。
今や制作工程でCG(コンピューターグラフィックス)を使っていない実写映画を探す方が難しい。近年ではそこに生成AI(人工知能)による画像生成技術が加わろうとしている。実写映像をアニメ化するアプリケーションも開発された。AIを使用しての長編映像作品の制作が、素人でも可能になろうとしている。
23年にハリウッドで映画制作におけるAIの使用反対を求めるストライキが起きたのは記憶に新しい。「人間の仕事をAIが奪う」ことに反対する、というのが骨子だが、はたして実際の映像制作現場でAIはどう受け止められているのだろうか。
「ツインズひなひま」の制作意図
この3月からBS日テレなどで放映を開始したテレビアニメ「ツインズひなひま」は、AIを使用して制作されたアニメとして話題を呼んでいる。このアニメの制作意図について、制作会社KaKa Creationのプロデューサー、飯塚直道CCO(最高商務責任者)に話を聞くことができた。
「アニメは日本で唯一近代化されていない産業。今のアニメーターは仕事量が多すぎる。有能なアニメーターは作画監督に起用されるが、作画の修正に追われて自分が絵を描く時間が取れない。AIが進化すれば、作画監督作業を部分的にAIに任せ、作業負担が軽減されることで、アニメーターはもっとクリエーティブな作業に集中できる。AIが人間の仕事を奪うわけではない」
アニメファンのニーズに合わせて、キャラクターや背景など、アニメに求められる情報量は増え続けている。人間の作業は人によってクオリティーに差が出るが、AIは学習による積み上げで進化するのでクオリティーは上がってゆく。
今回の「ツインズひなひ…
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