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自民議連が提言「こども支援NISA」の理想と現実

渡辺精一・経済プレミア編集部
=Getty Images
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 18歳以上に限定する少額投資非課税制度(NISA)を未成年者に広げる議論が持ち上がっている。自民党議連は2025年4月、「つみたて投資枠」の年齢制限を撤廃するよう政府に提言した。だが、未成年対象の「ジュニアNISA」は利用の低迷から23年末に廃止したばかり。未成年版のNISAをめぐっては課題が多く、導入には慎重な議論が必要だ。

ジュニアNISA「人気低迷」の理由

 NISAは、家計の安定的な資産形成を支援する制度。24年からの新NISAは、投資対象を積み立て・分散投資に適した投信に限る「つみたて投資枠」(年間投資枠120万円)と、上場株式などにも投資できる「成長投資枠」(同240万円)がある。

 口座開設は18歳以上に限定するが、自民党の資産運用立国議員連盟(岸田文雄会長)は4月23日、少子化対策や子育て支援として「つみたて投資枠」の投資を認める「こども支援NISA」の創設を政府に提言した。

 23年までの旧NISAには未成年対象の「ジュニアNISA」があった。しかし、18歳まで払い出しできない制限があり、「使い勝手が悪い」と人気薄だった。23年末の口座数は、成人対象のNISA(一般・つみたて)の約2125万口座に対し、約124万口座と利用は低迷した。

 では、なぜこうした制限を付けたのか。その経緯を追っていこう。

 旧NISAは14年、年間投資枠100万円の一般NISAでスタートした。その後、麻生太郎財務相(当時)は同240万円に引き上げる考えを示し、拡大が焦点になった。

 だが、単純に枠拡大では高所得者優遇という批判を浴びかねない。そこで16年、一般NISAの年間投資枠を120万円…

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経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。