第2次トランプ米政権発足から100日が経過した。トランプ大統領は成果を誇示するが、実態は混乱と動揺が目立つ状況だ。製造業復活を旗印に掲げた強硬策も、米国経済の構造変化という現実の壁に直面している。だが、これは米国に限った話ではない。中国や新興国との競争が激化する中、日本もまた、過去の成功体験に縛られることなく、新たな成長戦略を描くことが求められている。
乏しい成果で募る焦りといら立ち
「我々は製造業の衰退を許さない。アメリカを世界の製造業の中心地に戻す。それは非常に迅速に実現するだろう」
第2次トランプ政権発足から100日。トランプ氏はミシガン州で開催された就任100日を記念する集会でこのように述べて、公約の柱である製造業復権に強い自信を示した。
実際、トランプ政権は周到な準備のもと、関税や移民規制、連邦政府改革など政権公約実現に向けて、猛烈なスピードで政策を展開、政権発足後の100日間で署名した大統領令の数は140を超える。これはトランプ第1次政権の同時期と比べおよそ4倍の水準だ。
ただ強気の発言とは裏腹に、看板政策である関税は中国との報復合戦を招き、鳴り物入りで始まった政府効率化省も目標の大幅下方修正を余儀なくされた。ロシアとウクライナの停戦交渉は遅々として進まず、パレスチナやイランを巡る中東情勢の火種もいまだくすぶったままだ。目立った成果がない中で、むしろ政権内では焦りといら立ちが募っているとの見方が多い。
経済面では、トランプ政権のある意味「ずさんな」政策運営も相まって、米国黄金時代の到来を感じさせるどころか、「米国一強体制の揺らぎ」がより鮮明になっている。
トランプ氏が「解放記念日」と称し、満を持して発表した相互関税が世界中を動揺させたのは周知のとおりである。どう喝まがいの口ぶりや日ごと揺れる発言に、通商政策の先行き不透明感を測る指数は、2024年平均の5倍以…
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