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荻原博子氏「高齢者向けプラチナNISAなんて、おやめなさい」

荻原博子・経済ジャーナリスト
金融庁のホームページで案内されているNISA紹介画面=東京都千代田区で2025年4月16日、宮武祐希撮影
金融庁のホームページで案内されているNISA紹介画面=東京都千代田区で2025年4月16日、宮武祐希撮影

 岸田文雄前首相が会長を務める自民党の「資産運用立国議員連盟」が、高齢者向けの「プラチナNISA(少額投資非課税制度)」の創設を提唱し、金融庁も乗り気のよう。

 これは、65歳以上の高齢者限定のNISAで、通常のNISAでは投資することができない「毎月分配型投資信託」に投資できるのが大きな特徴。2026年度の税制改正要望に盛り込む意向です。ただこの「プラチナNISA」には、大きく三つの問題点があります。まず、その問題点から見てみましょう。

三つの問題点

 一つ目は、24年からの現行「新NISA」と趣旨が矛盾すること。

 現行の「新NISA」は長期投資が目的なので、リスクが大きいデリバティブなどの投資商品や上場廃止基準に該当する監視銘柄、元本を取り崩して分配金を出す可能性がある「毎月分配型投資信託」などは、長期投資にはそぐわないということで買えないことになっています。

 ところが、65歳以上に限っては、「毎月分配型投資信託」を買わせようという。高齢者は、長期で増やすより毎月分配金をもらって残りの余生を楽しく送りましょうということのようですが、それはそもそも「新NISA」の趣旨ではありません。

 二つ目は、「新NISA」は投資初心者が資産を増やすという趣旨で作られていますが、「毎月分配型投資信託」は、もうけを分配してしまうので再投資できず、複利で運用して資産を大きく増やすことができません。

 しかも、運用でもうからないと元本を取り崩して「分配金」を出しますが、元本が減っていく可能性があり、投資初心者だとそれに気づきにくい。それを、最も投資の理解度が低い人が多いと思われる高齢者に限定的に売るとのは、いかがなものか。

 三つ目は、「毎月分配型投資信託」は過去にさんざんトラブルがあった商品であること。

 たとえば、「毎月分配型」でピーク時の08年夏に約5兆7000億円を超える資金を集めた「グローバ…

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