業績不振の日産自動車は5月13日、世界で7工場閉鎖や従業員2万人の削減を柱とする経営再建策を発表した。2025年3月期連結決算の最終(当期)赤字は6708億円に膨らんだ。構造改革に全力を挙げるが、黒字回復は2年後の27年3月期を見込んでおり、当面は水面下の苦境が続く。こうした中、日産の「後ろ盾」としての提携相手にトヨタ自動車の名がチラつき始めている。
V字回復は困難
4月に就任した日産のイバン・エスピノーサ社長は13日の記者会見で「この業績では会社は持続できない。いま手を打たなければ事態は悪化するだけだ」とどん底の業績を語った。そして過剰な生産設備の削減、高コスト構造の改善に注力する考えを示した。
ただ、トランプ米政権の自動車への追加関税などで経営環境は一段と厳しくなっている。リストラ策を徹底すれば、工場閉鎖や人員削減に伴う構造改革費用が追加される可能性がある。26年3月期は損益の見通しを公表しなかったが、赤字が膨らむ可能性も否定できない。
今から26年前、経営難に陥った日産に仏ルノーが救済出資をし、カルロス・ゴーン元会長が「日産リバイバルプラン」を掲げて工場閉鎖、人員削減を行い大幅な黒字転換を果たした。当時は「奇跡のV字回復」と言われたが、今回は「V字」は難しく、より現実的な「U字回復」を目指す。
口にのぼり始めた「トヨタ」の名
リストラ策を「スピードを持って取り組む」(エスピノーサ社長)と宣言した日産にとって、もう一つ必要なピースは他の大手自動車メーカーの「後ろ盾」だ。業績の急降下で日産のブランドは傷ついており、信用不安が広がってもおかしくない。昨年公表したホンダとの経営統合が挽回の決め手となるはずだったが、子会社化の提案を拒絶し、今年2月に白紙に戻った。
ホンダとの再交渉も取り沙汰されるなか、関係者の口にのぼり始めているのが、トヨタ自動車…
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