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法案復活「基礎年金底上げ案」は氷河期世代救済なのか

渡辺精一・経済プレミア編集部
=Getty Images
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 年金制度改革法案は、政府・与党が削除した基礎年金の底上げ案を復活させ、5月30日に衆院を通過し、今国会で成立の見通しだ。だが、底上げ案が「就職氷河期の低年金対策」だとする説明は実態を反映しているとは言い難く、年金改革の本質とずれた議論が広がる懸念がある。

異例のスピードで衆院を通過

 年金改革法案は、パートタイム労働者が厚生年金に加入して年金増などのメリットを受けやすくする社会保険の適用拡大をはじめ、在職老齢年金や遺族年金の見直しなどが柱だ。

 政府・与党は、基礎年金の底上げ策も予定していたが、5月16日に提出した法案には盛り込まず、立憲民主党が反発していた。自公立3党の協議で、法案の付則に基礎年金の底上げ策を明記することで合意し、修正案提出から異例のスピードで衆院を通過した。

 基礎年金の底上げ策とは何か。

 公的年金は、20~59歳の全員が加入する基礎年金と、厚生年金に加入する会社員らに上乗せする報酬比例部分の2階建てだ。

 国民年金と厚生年金は年金財政が別で、それぞれが基礎年金の給付資金を拠出している。また、年金制度は財政が安定するまで給付水準を減らす「マクロ経済スライド」を導入し、基礎年金は国民年金、報酬比例は厚生年金の財政を元に個別に調整している。

 当初、調整は2023年度に終わる見通しだったが、基礎年金の調整が長引いている。スライドの発動が遅れたうえ、デフレが長期化したこと、女性や高齢者の就労が進んだことなどが要因だ。

「調整期間の一致」の狙いと課題

 給付水準は所得代替率で示す。「会社員の夫と専業主婦の妻」の年金額をモデル年金とし、その時点の男性の平均手取り収入に対する…

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経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。