金融庁「突然の報告徴求命令」(下)
金融庁から5月13日に報告徴求命令を受けたスルガ銀行。不正融資問題で受けた業務改善命令が6年7カ月も解除のメドがたたず、事実上の“放置状態”だった。金融業界では「解決にこれほど時間がかかっているのはなぜか」と銀行の対応をいぶかる声も出る。借金返済が困難な不動産購入者に対し、返済を迫り追い込む姿勢を強めてきた現経営陣の問題が浮かび上がる。
ある大手行幹部は「業務改善命令が6年も解除されないこと自体、考えられない。普通なら経営責任が問われる」と指摘する。例えば大規模なシステム障害を繰り返したみずほ銀行と親会社のみずほフィナンシャルグループに2021年9月に金融庁が出した業務改善命令は、改善策に取り組んだことにより2年4カ月後の24年1月に解除されている。
スルガ銀行は、アパート・マンション物件を購入した約400人との間で行われている民事調停が合意に達していないことが解除のハードルになっている。
調停で購入者側は「不正融資で受けた被害は銀行が賠償すべきだ」と主張。銀行側は「不正の程度はさまざまで、銀行は一律の損失負担はせず個別に判断する」と反論し、ミゾが埋まっていない。
加藤社長「解決の道筋」示さず
スルガ銀行は、6年7カ月の間に社長が2度交代した。命令が出された当時は生え抜きの有国三知男氏だったが、嵯峨行介氏に代わり、2年前に現社長の加藤広亮氏が就任した。
加藤氏は日本生命、ボストン・コンサルティング・グループなどを経て、のちにソニー生命に吸収合併されたソニーライフ・エイゴン生命社長を短い期間務めた。嵯峨氏と同様に不正融資の発覚後にスルガ銀行に移り、副社長を務めてきた。
加藤氏は23年6月の社長就任後、11月の決算会見で「問題解決は重要な経営課題。苦しむ債務者に1日でも早くご安心いただくのが大事と取り組んでいる」と説明し、「真摯(しんし…
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