盛岡市に本社を構える五日市塗装工業は、1954年創業の歴史ある地場企業だ。総勢29人の小さな会社だが、岩手県内全域で年400件以上の塗り替え工事を行うほか、リフォーム事業も手掛け、堅実な成長を続けている。
しかし、2023年9月に4代目社長となった晴山潤一さん(35)は、就任前から会社の先行きに不安を感じていた。足もとの業績は好調だったものの、将来的な「人手不足」への対策が手つかずだったからだ。晴山さんはこの後、会社の大変革に挑むことになるが、今回はその取り組みを紹介したい。
塗装業界に横たわる課題
日本の塗装業界は、少子高齢化や人生100年時代を背景に既存住宅のリフォーム・メンテナンス需要が旺盛で、安定した需要が見込まれている。だが一方、慢性的な人手不足という課題も長年横たわる。とくに若年層の入職者が少なく、職人の高齢化も進行中だ。このまま少子高齢化が進めば、事態がさらに悪化することは明らかだった。
「きつい・危険・汚いの3Kに“くさい”を加えた4K職業というイメージが世間に残っていることも、人手不足につながってきました。若い世代があこがれる仕事にしたい」と晴山さんは語る。
社長に就任した晴山さんはさっそく対策に乗り出したが、会社にとって人手不足は「喫緊の課題」というわけでもなかった。社員の平均年齢も38.3歳と比較的若い。しかし、だからこそ場当たり的な対策にならず、長期的視点に立って戦略を練ることができた。実際、この段階から対策に着手できたことが会社の大変革につながっていく。
若い世代に選ばれる会社へ
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