どうなる大手電力の株主総会(4)
「原子力発電については次の要件をすべて満たせる見通しが立たない限り、必要最低限の稼働とし、新増設は行わない」(大阪市)
「原子力発電に依存しない持続可能で安心安全な電力供給体制を早期に構築していく必要がある」(京都市)
これらは2025年6月26日の関西電力の株主総会で、大阪市と京都市が行う株主提案だ。大阪市は関電の発行済み株式総数の6.12%を保有する第2位の大株主だ。京都市も0.38%を持つ。両市は東京電力の原発事故後の12年度から毎年、関電に脱原発を求める株主提案を行い、いずれも否決されている。
否決されてもなお、大株主の自治体が行う今年の株主提案には、どんな狙いがあるのだろうか。
今年の関電の株主総会は、剰余金処分の第1号議案と取締役13人の選任を求める第2号議案が会社提案で、第3号から第19号議案までが株主提案だ。
このうち、大阪市が「ゼロカーボン社会の実現への貢献」(第17号議案)、京都市が「原発に依存しない持続可能で安心安全な電力供給体制の構築」(第18号議案)、「ゼロカーボン社会の実現」(第19号議案)を定款に盛り込むよう提案する。
実質的に原発の再稼働や新増設認めず
冒頭に紹介した大阪市の株主提案が求める「次の要件」とは、(1)天災・武力攻撃を含む論理的に想定されるあらゆる事象についての万全の安全対策(2)原発の事故発生時における賠償責任が本会社(関電)の負担能力を超えない制度の創設(3)使用済み核燃料の最終処分方法の確立――だ。
大阪市はこの三つの要件のすべてを満たさない限り、原発は必要最低限の再稼働にとどめ、新増設も行わないよう求めている。大阪市は同様の株主提案を12年以来、毎年行っている。
いずれも実現のハードルは高く、実質的に原発の再稼働や新増設にストップをかける提案となっている。大阪市は今回の提案の理由について「原発はひとたび過酷事故が発生すると甚大な被害が想定され、株主利益の毀損(きそん)のみならず、将来に過大な負担を残す恐れがある」と説明する。
さらに大阪市は「使用済み核燃料の中間貯蔵施設の候補地がいまだ決まらず、最終処分方法も確立されていない。処理の見通しが立たないまま、…
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