A子さん(31)はファッション洋品、雑貨を扱う店舗で販売員として働いています。半年ほど前に結婚し、そろそろ子どもを持つことを考えています。でも気になることがあります。
今の仕事は立ち仕事で、商品の品出しや返品なども含め力仕事が多くあることから、妊娠中も仕事を続けることができるかどうか不安です。また、ギリギリの人数で勤務シフトを組んでおり、自分が急な体調不良となった場合、同僚に迷惑をかけることも気になっています。
また、店舗の営業終了は午後8時です。復職後、保育所のお迎えのために、自分だけ常に早番としてもらうことも考えにくいです。
いろいろ考えた結果、A子さんは妊娠しても体への負担が少なそうな事務系の仕事で、産休・育休や短時間勤務などの制度が整っている企業に転職することにしました。
とはいうものの、A子さんはこれまで事務職の経験はなく、すぐに次の職場が決まるとは考えられません。今の仕事を退職後、失業給付を受給しながら、じっくり次の仕事を探そうとしました。
ところが、昨年出産し、転職の経験もある友人のB子さん(30)から、「転職先で育休をとることを考えているのなら、失業給付の手続きをしない方がよい」と言われ、驚いています。
産休と育休の取得要件
まず、妊娠、出産、育児に関する制度の内容を確認します。出産前後に取得することができる産休と、子の出生後に取得できる育休では、取得要件が異なります。
産休は雇用形態、勤続年数、所定労働日などに関わらず、すべての労働者が取得することができます。育休については、会社ごとに労使間の取り決め(労使協定)で、入社1年未満の労働者など、一部の労働者を対象外とすることができます。
また、それぞれの休業期間の給付金についても要件が異なります。産休期間の出産手当金は、社会保険(健康保険、厚生年金保険)に加入している労働者であれば、勤続年数に関わらず、受給することができます。
しかし…
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特定社会保険労務士
大阪市出身。2023年、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。法学博士(大阪大学2026年)。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書(共著)に『労働事件予防の実務』(第一法規)など。http://www.sr-iyori.com/







