イランとイスラエルの「12日間戦争」は、トランプ米大統領の仲介で停戦を迎えた。中東全体を巻き込む大混乱に発展する最悪の事態は免れそうだ。ただ、イラン空爆実施をめぐり、米政権内の路線対立が浮き彫りになるなど、先行きに不透明感も漂っている。
イランの核施設を「完全に破壊した」。米国時間21日10時過ぎ、トランプ氏はホワイトハウスで、イランを空爆したと発表した。ルビオ国務長官兼大統領補佐官(国家安全保障問題担当)、ヘグセス国防長官、バンス副大統領の3人がその脇を固めた。
目を引いたのは4人のネクタイの色(柄)だ。大統領とルビオ氏は真っ赤なタイ、国防長官は赤と紺のレジメンタルタイ、そしてバンス氏は紺色のタイを結んでいた。この違いは、イラン攻撃をめぐる政権内の意見対立を示しているように映る。
MAGA派と強硬派が政権内に混在
4人の中で、イラン攻撃を含め最も強硬な主張を続けてきたのはルビオ氏だ。一方、海兵隊員として中東勤務経験があるバンス氏は、戦争は金食い虫であるとの持論をもとに、海外の戦争への関与は慎重になるべきだと主張していた。
冷戦に勝利し、唯一の超大国となった米国だが、アフガニスタン、イラクでの泥沼の戦争で国富を失う。その間、中国は躍進、ロシアも徐々に体力を回復していく。気付けば、米国の地位が揺らぎ始めている。そうした思いを胸に、バンス氏は「米国を再び偉大な国にする(MAGA)」を掲げるトランプ氏の陣営に加わった経緯がある。
ヘグセス氏もMAGA派の構成要員。MAGA派には、イランとの交渉を担当するウィットコフ大統領特使や、ギャバード国家情報長官などもいる。
MAGA派と強硬派が政権内に混在する中、トランプ政権は3月、交渉期間を2カ月と区切った上で、イランに交渉を呼びかけた。トランプ氏はイランの「核武装阻止」を目標に掲げ、原爆製造にもつながるウラン濃縮の是非について当初は…
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