井上伸一郎の「コンテンツ業界テレスコープ」 フォロー

新作ガンダムが話題騒然 右肩上がりの「人気の秘密」

井上伸一郎・作家・プロデューサー
徹底した情報管理でサプライズ演出に成功した「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」©創通・サンライズ
徹底した情報管理でサプライズ演出に成功した「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」©創通・サンライズ

 エンターテインメント企業のバンダイナムコホールディングス(HD)が掲げる「IP(知的財産)軸戦略」のなかでも存在感が際立っているのが、関連会社バンダイナムコフィルムワークス(BNF)が制作するアニメ、ガンダムシリーズだ。2025年3月期のIP売上高は1535億円に達し、右肩上がりの状態が続いている。BNFの取締役でガンダムシリーズの映像責任者を務める小形尚弘プロデューサーに「GQuuuuuuX」と今後のガンダムシリーズの戦略を聞いた。

新作「ガンダム」アニメファンの話題を独占

 今年4月から放映を開始した新作アニメ「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)」もアニメファンの話題を独占した。BNFのSUNRISE Studios制作の作品ブランドであるサンライズと「エヴァンゲリオン」シリーズのスタジオカラーが共同で制作するというだけでもニュースだ。

 さらに1979年に放送された第1作「機動戦士ガンダム」の舞台となった架空の時代「宇宙世紀」の架空戦記的な世界観を描き、現在のアニメファンだけでなく、旧来のファンをも熱狂させることに成功した。また今冬公開の映画「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女」の情報も解禁となった。

 小形氏によると「ガンダム」のテレビシリーズの新作は17年に放送が終了した「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」以降途切れていたが、この期間に22年放送の「機動戦士ガンダム 水星の魔女」「GQuuuuuuX」そして昨年、動画配信サービスのNetflixで配信された「機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム」の制作を仕込んでいたという。

 小形氏は「『GQuuuuuuX』は若い世代に見てもらうことをテーマに制作した。スタジオカラーといえば社長の庵野秀明さんの名が上がるが、今回は鶴巻和哉監督で新しいガンダムをつくってもらいたかった」と語る。

 毎…

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作家・プロデューサー

 1959年生まれ。87年、株式会社ザテレビジョン(現KADOKAWA)入社。雑誌編集者、マンガ編集者、アニメ・実写映画のプロデューサーを歴任する。2007年に株式会社角川書店代表取締役社長。19年に株式会社KADOKAWA代表取締役副社長に就任。現在は25年開学のZEN大学客員教授およびコンテンツ産業史アーカイブ研究センター副所長。合同会社ENJYU代表社員。新著に「メディアミックスの悪魔 井上伸一郎のおたく文化史」(星海社新書、2025年3月18日発売)。インスタグラム@inoueenjyu/YouTube番組「アニジャ:I love ANime JApan」を配信中