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原発再稼働で電気代下がる?参院選各党の原発政策比べてみた

川口雅浩・経済プレミア編集部
参院選立候補者の応援で演説する自民党の石破茂総裁=神戸市中央区で2025年7月3日、大西岳彦撮影
参院選立候補者の応援で演説する自民党の石破茂総裁=神戸市中央区で2025年7月3日、大西岳彦撮影

 参院選は7月20日の投開票に向け、各党の論戦が続いている。今回の参院選は物価高対策の消費減税や給付が大きな争点だ。物価高対策の観点から、各党は原発や気候変動など環境エネルギー政策で何を訴えているのか。与野党の政策を比較すると、各党のスタンスや本音が浮かび上がってくる。一見、「さりげないメッセージ」のように見える抽象的な政策にも、実は注意が必要だ。

 自民党は参院選に向けて発表した政策集で、東京電力福島第1原発事故について「これまで原子力政策を推進してきた我が党は、このような事故を引き起こしたことに対してお詫(わ)びするとともに、今なお被災されている方々に心よりお見舞いを申し上げる」と「反省」を表明している。

 しかし、反省に続いて「我が党としては原発事故から14年が経過し、その経験、反省と教訓を基に原子力をはじめとするエネルギー政策に取り組んでいく」と、原発推進を明確にしている。

 自民は原発事故後、歴代政権が「可能な限り原発依存度を低減する」としてきたが、岸田文雄・前首相(党総裁)が方針転換。前回の衆院選(2024年10月)では「原発を最大限活用する」と推進にかじを切った。

 従って、今回の参院選も基本的に前回の自民の政策を踏襲している。具体的には「原子力規制委員会の新規制基準に適合すると認められた原発の再稼働」のほか、既存原発の運転期間の延長、次世代革新炉の建設、核燃料サイクルの推進などを掲げている。原発などのエネルギー政策を見る限り、石破茂首相のカラーはうかがえない。

 物価高対策として、自民は「7~9月の電気・ガス料金支援などあらゆる政策を総動員する」としているが、後述する国民民主党のように、原発再稼働で電気料金の引き下げを狙うような政策は、なぜか明言していない。それは東電の場合、停止中の柏崎刈羽原発(新潟県)が再稼働しても「さらに電気料金が安くなるという事実はない」(同社)からなのだろう。

 同じく与党の公明党は「再生可能エネルギー、原子力等の脱炭素電源を最大限活用する」「核燃料サイクルは地元地域との関係を尊重し、十分な理解と協力を得ながら取り組む」などと、自民に同調。公明は前々回の衆院選(21年10月)では「原発の新設を認めず、将来的に原発ゼロをめざす」としていたが、前回の衆院選から「原発ゼロ」の記述はなくなり、今回の参院選で原発推進がさらに明確になった。

再エネか原発再稼働か

 これに対して、野党の立憲民主党は…

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経済プレミア編集部

1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部。