A子さん(50)は従業員200人ほどの食品メーカーの総務部で課長をしています。2年前からA子さんの部下だったB子さん(29)を先日の人事異動で営業部に配置換えしましたが、B子さんに対する自分の評価が間違っていたことに気づきました。
B子さんは担当の仕事は正確にできますが、与えられた仕事しかやりません。周りの社員がバタバタしていても、全く動じずマイペースです。さらに、その仕事の進め方は前任者が作成したシートの「完全コピー(完コピ)」でした。
そんなB子さんに対するA子さんの評価は高くありません。このため営業部から産休補充要員として社員を回してほしいと依頼があった時、真っ先にB子さんに行ってもらうことにしました。
ただ、B子さんを異動させてすぐに、B子さんに対する自分の評価が間違っていたことに気づき、配置換えを後悔することになりました。
コピペならミスなくて当然?
総務部時代のB子さんの担当業務は社員の給与データの作成や、入社、退職、扶養家族の追加などに伴う社会保険の手続きでした。B子さんはそれらの仕事を前任者が残したデータをコピペして進め、社内の連絡も前任者が作成した文面のコピペでした。
総務部は職種や勤務歴などが異なるさまざまな社員とのやりとりが生じます。このため、提出物などを依頼する時、A子さんは「早めに依頼する」「細かい点まで注意事項を示す」「お願い目線で依頼する」など、相手に応じた伝え方を工夫していました。
ところがB子さんにそんな姿勢はなく、依頼する時は相手が誰であれコピペの定型文です。このため説明が必要な社員には趣旨が伝わらず、何度もやりとりが生じてしまうことがありました。
B子さんは…
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特定社会保険労務士
大阪市出身。2023年、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。法学博士(大阪大学2026年)。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書(共著)に『労働事件予防の実務』(第一法規)など。http://www.sr-iyori.com/







