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デジタル遺品「故人のID・パスワード」は使えるか?

渡辺精一・経済プレミア編集部
=Getty Images
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どうする?デジタル遺品(1)基礎編

 シニア世代には「終活」への関心が高い。そこで課題となるのが「デジタル遺品」の扱いだ。スマートフォンやネット上のデータ、契約など、遺族から「見えにくい」遺品が増えており、生前に適切に伝えないと、遺族が気づかなかったりトラブルの原因となったりする。だが、単に「IDやパスワードを残す」といった方法では別の問題を生む可能性もある。

本人以外には「見えにくい」遺品

 人が亡くなり相続が発生した場合、どんな資産を所有していたかわからないと、相続手続きは難航する。例えば、どの銀行や証券に口座があったのか、探すことがスタートになる。遺言書やエンディングノートにリスト化しておくことは、終活の基本だ。

 特に最近は「デジタル遺産」の扱いが注目される。ネットの銀行・証券の口座、電子マネー、決済サービス、仮想通貨(暗号資産)など、デジタル完結型の取引や契約が増え、本人以外は、資産や契約がつかみにくくなっている。

 デジタルの持ち物には、スマホやパソコン、交流サイト(SNS)などにある文書・写真・動画などのデータや、メールアドレス、SNSアカウントなどもある。財産としての価値はなくても、遺族に見えにくいのは共通だ。

 このため、遺産だけでなく、故人の所有物全般に広げた「デジタル遺品」という視野からの対応が課題となっている。

 国民生活センターが2024年11月に公表した報告書によると、デジタル遺品の相談は増えている。遺族が契約の確認や解約をしたくても、IDやパスワードの手がかりがなく手続きに困るケースがあるという。

 具体的には、まず、故人のスマホのロック解除ができず、口座…

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経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。