巨額特別損失で東電どうなる(2)
東京電力ホールディングスが福島第1原発で溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の取り出しに向け巨額の特別損失を計上し、通期で赤字決算を回避できるのか注目されている。東電は原発事故の被害者へ賠償を行うため、国が国債を発行し、必要な資金を立て替えてもらっている。万一、赤字決算となった場合、東電の国への借金返済は再びゼロとなるのか。それで世論の理解は得られるのだろうか。
原発事故を受け、政府は大手電力会社などと原子力損害賠償・廃炉等支援機構(原賠機構)を設立。被害者への賠償のため、国が国債を発行し、原賠機構が交付金として東電に必要な資金を提供している。
東電が原賠機構から受け取った交付金は、東電を含む大手電力会社が一般負担金、さらに東電が特別負担金として、毎年度、原賠機構を通じて国に返済することになっている。
東電は毎年度、原賠機構に特別負担金として借金を返済してきたが、最終赤字となった2023年3月期(22年度)は特別負担金がゼロとなった。
特別負担金の支払額は東電が自ら決めるわけではない。原賠機構が東電の経営状況を見て、毎年度、国に返済する額を決め、首相と経済産業相が認可している。
「赤字でも借金返済ゼロと決まってない」
東電は25年7月31日、福島第1原発1~3号機の燃料デブリの取り出しに向けて9030億円の費用が必要になり、賠償費用519億円と合わせ、9549億円の巨額の特別損失を計上。25年4~6月期連結決算は最終(当期)損益が8576億円の赤字となった。通期で9500億円余の特別利益がなければ、23年3月期以来、3期ぶりの最終赤字に転落する可能性がある。
東電が最終赤字となった23年3月期の特別負担金はゼロだった。原賠機構は「22年度は東電の経常損益と最終損益が赤字となることが見込まれることから、ゼロにした」と説明した。
それなら、東電の26年3月期連結決算が最終赤字となった場合、25年度の特別負担金はゼロになるのか。原賠機構に尋ねると、…
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