1960年に国鉄が導入した世界初の鉄道座席コンピューター予約システム「MARS-1」(マルス・ワン)が、IEEE Milestone(マイルストーン)に選定された。
IEEE Milestoneとは、電気・情報工学分野の国際的な学術研究団体IEEEが、社会や産業に多大な貢献をした歴史的偉業を表彰するものだ。最近では世界初のカラオケ機なども選ばれている。
今回はMARSの歴史を振り返ってみたい。
座席指定が「手作業」の時代
MARS-1は、列車の座席を予約するためのコンピューターシステムだ。後継システムが現在もJRで稼働しており、初代にあたるMARS-1の本体はさいたま市の鉄道博物館で保存されている。
鉄道黎明期、日本の長距離優等列車は自由席が当たり前だった。しかし1912年に新橋―下関間で「特別急行」が運転を開始した際、確実に着席できるサービスとして座席指定制が導入された。戦後の特急列車もこの流れを汲(く)み、全車指定席が基本となっていた。
しかしMARS導入前は、座席指定に非常に手間と時間がかかる方式を採っていた。駅で座席指定を申し込むと、まず駅員が空席の有無を「乗車券センター」へ電話で問い合わせる。
乗車券センターでは係員が台帳で座席の状況を調べ、空席がある場合はその座席番号を駅員に伝える。駅員は座席番号を手書きで指定券に記入し、ようやく発券が完了していた。
だがこのまま指定席列車が増えていけば、手作業では追いつかなくなるのは明白だった。そこで国鉄は日立製作所とともに、予約システムの開発に乗り出したのだ…
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