A子さん(40)は従業員200人の食品スーパーで1日6時間、週3日のパート勤務をしています。現在の時間給は1150円ですが、2025年10月から最低賃金の改定があるため1200円になると聞いています。
勤務先では人員不足が続いており、A子さんは勤務日数を週4日にしてほしいと言われています。時間の調整はできそうですが、これまで夫の扶養家族の範囲内(年収103万円以内)で働いていたこともあり、時間給の上昇と勤務時間の増加による影響を心配しています。
扶養家族の確認を
25年12月の年末調整から、税法上の扶養家族によって、配偶者や親などの所得税の納税額が変わる「年収の壁」が103万円から123万円に引き上げになります。A子さんの場合、年収の壁(123万円)を超えても、160万円以下なら、夫が配偶者特別控除を受けることができます。このため実質的に160万円が年収の壁となります。
他方、A子さんは夫の会社の健康保険にも扶養家族として入っています。こちらは条件の変更はなく、年収130万円未満(60歳以上の場合は180万円未満)の場合、扶養家族になることができます。
夫の健康保険の扶養家族である妻、または妻の健康保険の扶養家族である夫は、健康保険料、国民年金保険料の負担はありません。
つまりA子さんは、勤務条件が変更になっても、年収130万円未満であれば、税法上も健康保険も夫の扶養家族となる要件を満たすことになります。このため、勤務日数を増やしても年収130万円未満であれば、特に影響がないように思えますが、社会保険についてはA子さんの会社の状況を確認する必要があります。
社会保険は自分で加入か
現在、従業員(社会保険加入者数)51人以上の会社では、(1)週20時間以上の勤務(2)月の所定賃金8万8000円以上(3)学生ではない――の三つの要件をすべて満たす短時間勤務者は、社会保険加入が義務付けられています。
A子さんの会社は従業員200人(社会保険加入者150人)で、上記要件を満たしています。会社の従業員数は自分が勤務する店舗や営業所などの従業員数ではなく、全社の従業員数で考えます。
A子さんの場合…
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特定社会保険労務士
大阪市出身。2023年、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。法学博士(大阪大学2026年)。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書(共著)に『労働事件予防の実務』(第一法規)など。http://www.sr-iyori.com/







