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東電は赤字でも「発電ゼロの原電支援」続ける?聞いてみた

川口雅浩・経済プレミア編集部
発電ゼロが続く日本原子力発電の東海第2原発(中央)=茨城県東海村で2021年3月18日、本社ヘリから撮影
発電ゼロが続く日本原子力発電の東海第2原発(中央)=茨城県東海村で2021年3月18日、本社ヘリから撮影

巨額特別損失で東電どうなる(3)

 東京電力ホールディングスが福島第1原発で溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の取り出しに向け巨額の特別損失を計上し、通期で赤字決算に転落する可能性が高まっている。その場合、発電ゼロの日本原子力発電への「資金的協力」を東電は続けるのか。政府もそれを容認するのか聞いてみた。

 東電など大手電力に電力を販売する原電は、保有する原発4基のうち、2基が廃炉作業中だ。再稼働を目指す東海第2原発(茨城県)と敦賀原発2号機(福井県)は2011年5月以降、停止したまま、再稼働のめどは立っていない。

 ところが原電は25年3月期(24年度)まで8年連続で最終黒字が続いている。原発が全基停止し発電はゼロでも、東京、関西、中部、東北、北陸の大手電力5社が基本料金として、原電の人件費や原発の維持管理費用などを払っているからだ。

 さらに東電は毎年550億円の基本料金とは別に、原電の東海第2原発の安全対策費として、21~24年度で約2000億円を「将来の電力料金」として前払いしている。このため東電が最終赤字に陥っても、発電ゼロの原電の黒字が続くという奇妙な構図が続いている。これまで毎日新聞経済プレミアでリポートしてきた通りだ。

発電ゼロでも毎年1000億円前後を支援

 東電は25年7月31日、福島第1原発1~3号機の燃料デブリの取り出しに向けて9030億円の費用が必要になり、賠償費用519億円と合わせ、9549億円の巨額の特別損失を計上。25年4~6月期連結決算は最終(当期)損益が8576億円の赤字となった。このため通期で9500億円余の特別利益がなければ、23年3月期(22年度)以来、3期ぶりの最終赤字に転落する可能性がある。

 このまま最終赤字となっても、東電は毎年1000億円前後の原電支援を続けるのか、東電に聞いてみた。東電は「原電の東海第2原発から受電が期待できると考えている。資金的協力については、原電から受けた受電条件の提案を含めて内容を精査し、経済性に加え、安全性向上対策への取り組みなどを総合的に確認して判断している」と、従来通りの見解を示した。

 これまで東電の株主総会では、株主から…

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経済プレミア編集部

1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部。